今年度の文化勲章受章者に京都大特別教授である森重文(70)先生が選ばれました
森先生との思い出
1990年
ICM-90国際数学者会議(International Congress of Mathematicians、ICM)が京都で開催されました。
22歳の学生だった私は参加しました。確か8月。会場の京都国際会議場は夏の暑さよりも熱気であふれていました。
フィールズ賞受賞者は4名
ウラジーミル・ドリンフェルト
ヴォーン・ジョーンズ
エドワード・ウィッテン
そして、森重文
フィールズ賞受賞式で森先生がフィールズメダルをもらう場面を遠くに見たのが最初でした
会場では、森先生の師でもある広中平祐先生をはじめ名だたる数学者を目の当たりにしました
2007年
そして、私がサイエンスナビゲーターⓇになってから
2006年から2007年にかけてテレビ東京「たけしの誰でもピカソ」で数学特番を出演・手がけることに
結局5本番組がオンエアされました
小谷元子先生
藁谷敏晴先生
黒川信重先生
そして、師根上生也先生が最後5回目のゲスト数学者でした
さて、テレビ東京は6回目の番組制作をもくろんでいました
そこでゲスト数学者に選ばれたのが森先生
番組制作打ち合わせの席ではじめて森先生とあって話をしました
結局6回目は幻の回となってしまいました
このとき森先生は京都大学数理解析研究所教授です
さらに月日が流れ、
2018年
突然の出会いがやってきました
現在の森先生は、京都大特別教授(京大で4人だけ)そしてKUIAS 京都大学高等研究院院長です。
できたばかりのKUIAS 京都大学高等研究院を一般にお披露目するためのフォーラムが京大で開催されることになり、
その司会者にサイエンスナビゲーターⓇが選ばれたのです
これは森先生のご指名でした
2018年9月17日にKUIASの特別教授4名をはじめ6名のスタッフと「KUIASと語ろう!科学」と題してサイエンスナビゲーターⓇがナビゲーターとなってトークセッションが開催されました。
森理論である「端射線の理論」の解説
私の問い「数学は自然科学だと思いますか」に対する森先生の返答はイエスでした
など思い出に残っています
ちなみにこの時、本庶佑先生にあいました。私は存じ上げなかったのですが、直接話をした時の感想が今でも忘れられません。
「この先生の業績はノーベル賞以上だ!」
はたしてこの数日後に本庶先生のノーベル賞受賞のニュースが流れることになりました
1990年の京都から28年後、再び京都でお目にかかることにになろうとは!
森重文先生、文化勲章受章おめでとうございます。
写真 京大百周年時計台記念館の中でイベント後に撮影したもの(左:司会進行、アナウンサーの桂紗綾氏)